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- フルミスト接種について
フルミストとは?
フルミストとは、鼻の中に噴霧するタイプのインフルエンザワクチンで、活性を低下させたインフルエンザウイルスを鼻腔内に噴霧することで体内でインフルエンザ感染と類似した環境を作り、インフルエンザウイルスに対する免疫を誘導するタイプの生ワクチンです。
2003年にアメリカで、2011年にヨーロッパで承認され、日本では2024年に承認されました。
当初は特に2歳〜7歳において注射型より良いと推奨されておりましたが、2016年6月のアメリカCDCにおいてはフルミストより注射型のほうが良いという報告があり、アメリカにおいては推奨が外れました(2018-2019シーズンでは再び推奨となっています)。原因は、クリニック内でのワクチンの保管温度が適切でなかったことなどが挙げられておりますが、確定した理由はわかっておりません。
カナダ、イギリスなど他のフルミストを承認している国には、継続して小児において良いと推奨されております。
当院では、2013年の開院以来、2016-2017シーズンを除き国内未承認医薬品の輸入代行会社を介してフルミストを導入してきました。
アメリカCDCでの発表を受け2016-2017シーズンは導入を見合わせていましたが、2017-2018シーズンからは再度導入をすることとしました。
その理由としては、
1.アメリカでは推奨が外れたがヨーロッパ地域では推奨が続いており、地域により評価が分かれていること(2018-2019シーズンからはアメリカでの推奨も再開されました)
2. 当院での開院以来の接種結果として、フルミストが良いと思われる方が一定数はいること
3. 過去にフルミストを接種された方々から、再開の要望をいただいたこと
があります。
ただ、注射型のワクチンと比較してメリットだらけのワクチンというわけではないことをご理解いただき、フルミスト接種をするかどうかの最終判断はご両親/本人で行っていただきますようお願いいたします。
フルミストと国産不活化ワクチンの違い
<優れている点>
・鼻腔内に噴霧するため、疼痛刺激が少ないこと
・接種直後の発熱や倦怠感はほとんどありません。
・一般的に生ワクチンは不活化ワクチンと比較して、抗体持続期間が長いとさ れています。
<注意するべき点>
・接種後、軽い感冒様症状(鼻水・咳など)を、約50%の方で認め、また、微熱を含めて発熱を約10%の方で認めます。
・接種後、1~2週間は生ワクチンのため、くしゃみなどでワクチン液が飛散し、他人に感染させるリスクがあります。
・接種後、しばらくの間はインフルエンザ検査を実施すると陽性となることがあります。
接種対象となる方、接種できない方
<接種対象となる方>
・2歳以上、19歳未満 (2023年以前で、国内未承認のため海外より輸入していた時期のフルミストの接種対象者は2歳以上60歳未満でした)
<接種できない方>
・ステロイドなどのは免疫抑制剤を使用中の方
・ゼラチンにアレルギーのある方
・他、医師が接種不適当と認めた方